コラム COLUMN
この3つの動線は、交わり過ぎると暮らしにくくなります。
家事動線が長ければ長いほど、家事に割く時間と労力は増えます。そのため、新居の間取りを考える際に、家事動線の効率化を図る方は多いものです。
しかし、配慮が必要は動線は「家事動線」だけではありません。ぜひ、「生活動線」や「来客動線」にも関心を向けてください。
生活動線の失敗例には、・寝室は2階なのに、トイレは1階にしかない ・帰宅後、家族に会うことなく自室に行ける
・テレビとソファーの間を通る以外の動線が無い ・モノを使う場所と収納する場所が離れている
・家具が大きいため動線の幅が狭くて通りづらい ・ドアとドアが近いため出入りする家族にドアをぶつけることがある等があります。
次に、来客動線についてです。来客動線とは、来客がどう動くかを示す動線です。
生活動線と来客動線が交わると、・来客時はトイレやお風呂を使えない ・リビングにしかテレビが無いので、来客が帰るまでテレビはお預け
・室内干しの洗濯物が丸見えなどのように、お互いに気まずい思いをする場合があります。
そういえば、「ウチは来客が少ないし、ほとんどの対応は玄関で終えるから室内にまで配慮しなくていい」との考えで新築した方から「玄関とリビングを仕切る開き戸は、
来客時以外は開けっ放し。宅配業者が来た時に閉め忘れ、風呂上がりの家族を見られて恥ずかしい思いをした」という失敗談を聞いたことがあります。
この3つの動線は、交わる回数が少ないほど暮らしやすいとされています。
中でも、来客動線はプライバシーを脅かす特別な動線です。他の動線と交わらないよう、特に配慮しましょう。
動線の交わり方を確かめるには、さまざまな場面を想定してシミュレーションするしかありません。
間仕切りの少ない家づくりをする場合は、特に念入りにシミュレーションした方が良いでしょう。