コラム COLUMN
「住宅ローンの契約前に転居届を提出して」と言われたら
住宅ローンを契約する時、金融機関によっては「転居届を早めに出して、契約迄に新居の住所に変えておいてほしい」と施主に告げることがあります。
「まだ住んでいない場所に住民票を移して大丈夫なの?」「それって不正行為なんじゃないの?」って不安になりませんか?
では、金融機関はなぜそう告げるのでしょう。
その理由は、「融資を受けた後、ちゃんと新築して引っ越すだろうか」「新築以外の用途に使わないだろうか」という不安があるからです。
もしかしたら、その金融機関では苦い前例があったのかもしれま せん。あるいは、転居後の住所変更に係る手続きを省くためかもしれません。
ちなみに、同一の市区町村へ転居する場合、転居した日から14日以内に転居届を提出しなければなりません。
また、他の市区町村に移動する場合は、1.転出前に転出届を提出し、転出証明書を受け取る 2.転入した日から14日以内に、転出証明書を添えて転入届を提出する
という手続きが義務付けられています。これは法律上の義務なので、正当な理由が無く届出をしない場合は5万円の科料に処せられることがあります。
なお、住所を移動する際は、マイナンバーの通知カードやマイナンバーカードの住所変更も最新のものにしなければなりません。
市町村役場に行く際は、住所を移す家族全員分を忘れずに持っていきましょう。
ただ、ここで一つ問題があります。郵便物の場合、郵便局に「転居届」を出さない限り旧住所に届きますよね。
しかし、市区町村からの通知は、住所を変えたその日から新住所宛てに発送されます。施工中だろうが更地だろうが関係ありません。
ですから、入学を控えたお子さんがいる場合は要注意です。
年末から翌1月頃に住所だけ移動すると、新入学の際に欠かせない「就学通知書」が施工中の現場に届くかもしれません。
また、4~5月頃に住所だけ移動すると自動車税や市民税などの納税通知書などが届くかもしれません。
その時、現場で誰か作業していたら、手元に届くよう手配してくれることでしょう。
しかし、無人の時に郵便受けの無い現場に届く可能性もあります。それらのリスクを理解した上で、転居届や転入届の提出日は慎重に決めましょう。