コラム COLUMN
住宅ローンは何歳までに返済しますか?
数十年前は、定年といえば55歳でした。
しかしこれからは、60歳未満の定年禁止、65歳までの定年延長による雇用の確保だけでなく、
定年制の廃止や70歳までの定年引上げなど、高齢になっても働くことが求められています。
住宅ローンの返済計画を立てる時、定年までに完済することを目標にする方は多いものです。
定年の概念が変わると返済計画にも影響があるのでしょうか。
■精神的な負担
住宅ローンの返済期間を30~35年の長期に設定すれば、月々の返済負担を軽減できます。
しかし、40歳で35年ローンなら完済は75歳。
ずっと健康に働けるなら大丈夫かもしれませんが、その年齢までローンを抱えるのは精神的な負担が大きそうです。
実際、若い世代でも、住宅ローンのプレッシャーが原因で賃貸暮らしを選ぶ方もいます。
住宅ローン契約後も、プレッシャーや不安に悩む方もいます。
■60歳を目安にするなら
家づくりする方の中には、漠然とした憧れはあるものの、なかなか決断できなかった方もいるとか。
しかし、30年ローンを組むなら30歳までに動く必要があります。
60歳までの返済計画を立てる場合、家づくりを先延ばしにするほど返済期間が短くなるので、
月々の返済額を増やすか予算を減らすか、どちらかを選択することになります。
■無理の無い計画を
子育て中だと、「子どもを伸び伸びと育てるなら広さは欠かせないよね」と思いがちです。
しかし、それは子どもが巣立つまでの期間限定。
子育て終了後に「広すぎて手に余る」「ガランとして寂しい」と嘆く方もいることを踏まえると、
数十年後の暮らしまで想像して検討した方が良さそうです。広さの分だけ建築費用も維持費も増えます。
伸び伸びとした生活を楽しむには、防音性の追求や間取りの工夫など、広さ以外の方法もあります。
予算を増やすために無理をするより、限られた予算を有効に活用する方が老後の負担を減らせます。
担当者の知識を存分に提供してもらいながら、無理の無い計画を立てましょう。
■減収を前提に
日本労働組合総連合会の調査によると、60歳以降も働くシニアの『仕事満足度』は70.3%ですが、
『賃金満足度』は、わずか44.0%だとか。定年制の変更に伴い、今後の賃金満足度は向上するかもしれませんが、
60歳以降に収入が減ることを前提とした資金計画を立てた方が、不安も減らせそうですね。