コラム COLUMN
ヒートポンプ給湯器の設置は、正しい場所に正しい方法で。
新築をきっかけにオール電化にする予定なら、ぜひ気を付けてほしいことがあります。
それは、ヒートポンプ給湯機(エコキュート)の設置場所です。ヒートポンプ給湯機は、深夜から早朝の間にお湯を作ります。
その際、40dB(デシベル)程度の運転音が発生します。40dBとは、図書館の中や、閑静な住宅地の昼間です。
音は聞こえるけれど会話するのに支障はない、という程度の音量です。
しかし、据付け環境によっては、20Hz(ヘルツ)以上の可聴域で、騒音レベルが上昇することが明らかになっています。
また、環境省によると、眠りが浅い時には、低周波音の大きさが10Hzで100dB、20Hzで95dB以上になると目が覚めるという実験結果が出ているといいます。
住宅リフォーム・紛争処理支援センター(住まいるダイヤル)には、「ヒートポンプ給湯機の低周波音が原因で、新居に引っ越した直後から
寝室を含めたすべての部屋で振動音に悩まされ、住み続けることができなくなった」という相談が寄せられています。
過去には、低周波音が原因で隣家から訴訟を起こされたり、殺人や暴力などの事件も発生しています。
あなたもヒートポンプ給湯機を設置する予定があるのなら、そんなトラブルを防ぐために、正しい場所に正しい方法で設置するようにしましょう。
なお、据付けのガイドラインには以下のように記されています。
■据付け場所の選定ポイント
・お客様および隣接するご近所様の寝室の傍は避ける。 ・ヒートポンプユニットの近辺(上方向含む)に、窓や床下通風口等の音の侵入口があれば、極力距離をとる。
・ ヒートポンプユニットの周囲に極力スペースを設け、壁や塀で音が反射しないように工夫する。
■据付け要領
・運転音や振動が増大しないように強固な台に据付ける。
・ベランダ、テラス、壁面及び高置き台等に据付ける場合は、振動による音が発生しないように、十分な強度がある場所に据付ける。
また、防振ゴムを敷く等振動の軽減を図る。 ・水平に据付ける。
前述の住宅リフォーム・紛争処理支援センターによると、施工業者が「ガイドラインと異なる方法で設置しても問題ない」という説明をしたり、
給湯機の据付説明書に記載された方法と異なる設置を行った場合には、その責任を問える可能性があるとか。
しかし、施主が特に希望して設置場所を決定していた場合、責任を問うことは難しくなるそうです。
なお、ヒートポンプユニットの上にモノを置くと、振動のために音を発することがあります。
近くにモノを置いた場合も、通風を阻害されて性能が低下したり、運転音が大きくなることがあるので注意しましょう。